たまにはワインを飲んでみたいけど、奥が深そうでなかなか手が出ないんだよなあ。
ちょっと基礎がわかれば楽しそうな気がしてるんだけど、ワインのハードル下げて楽しめるような何かトリガーを欲しているんだ。。
今回は、このようなご要望にお応えしますっ!
きっかけが無くてワインと縁がなかったという方もいるかと思います。僕は8年間レストランでマネジメントと併行してソムリエとしても活動していました。
そこで、今回は僕が楽しいと感じているからこそ、音楽好きな方にもワインの楽しさをシェアしたく、ワインのことを知ってる人も知らない人にも、ワインの基礎情報を整理するきっかけになれたらと思います!
では、早速みていきましょう!
※目次もご活用くださいませ。
深みを増した極上のグルーヴ
WARNER RECORDS
深みを増した極上のグルーヴ序章
WARNER RECORDS
深みを増した極上のグルーヴ続編
Music ∞♡ / Jazz / Punk / Rock / Funk / Electronic Music 1984年生まれ。東京在住。
プロフィール詳細
1.シャンパンとは?
シャンパンとは、フランス北部のシャンパーニュ地方で条件をクリアした発泡性ワインのこと。
シャンパーニュというのが正式な名称ですが、日本ではシャンパンという呼称が最も浸透してますね。
シャンパーニュとは、生産地の名称で、シャンパーニュ地方で生産されても条件を満たしていないスパークリングワインはシャンパーニュと名乗ることができないんです。
スパークリングワイン=シャンパンではないので要注意。
割と日本で馴染みがあるシャンパンはルイ・ヴィトングループのモエやヴーヴではないかなと思います。レストランで最初の1杯に供されることが多いシャンパンですね。
2.ワインの原料はなに?
ワインの原料はブドウのみ、ブドウ100%です。
シャンパンもワインなので原料はブドウ100%です。
3.ワインには種類がある?
あります。
ワインの種類は大きく分けて3つ
ワインの種類は大きく分けて3つ、下記のとおり。
- スティルワイン
- スパークリングワイン
- フォーティファイドワイン
それぞれの違いは製法の違い。
製法が違うため発泡性があったり、アルコール度数が高まったり、味わい、香りも異なるスタイルのワインに仕上がります。
製法の違いでそれぞれの個性が生まれます。
しつこいですが原料はいずれもブドウ100%です。
製法の違いで3つに分かれる
- スティルワイン
- スパークリングワイン
- フォーティファイドワイン
これらは製法が違うだけですので、スティルワインで使われるブドウ品種をスパークリングワインで使うこともあれば、フォーティファイドワインにすることもあります。
スティルワイン
スティルワインとは、発泡していないワインのこと。
スティルワインとは、下記のとおり。
上記のとおり、使うブドウ品種や製法により色味が異なります。無発泡であるということが最大の特徴。
日常的に「ワイン」と呼称されているワインは、スティルワインのことを指していますね。
スパークリングワイン
スパークリングワインは発泡性ワインのこと。
製法はいくつかありますが発酵由来のガスを生かしたスタイルと、ガス充填スタイルの2種に分けられます。
シャンパーニュ、フランチャコルタなど生産した場所、保護原産地呼称の基準を満たすことで名乗れる名称がいくつか存在します。
シャンパーニュはシャンパーニュ地方で生産されたことを保証する基準を満たしたワインのみがシャンパーニュと名乗ることができます。
フォーティファイドワイン
フォーティファイドワインは酒精強化ワインのこと。
ブランデー、シェリー、ポートなどが代表的です。
これも製法に由来する名称で、原料は当然ブドウで、ワインにアレンジを加えたものがフォーティファイドワインです。
シャンパーニュと名乗るには条件がある
シャンパーニュとは産地名。
シャンパーニュはフランス北部のシャンパーニュ地方(年間平均気温11℃の冷涼な地域)で生産され、条件を満たしたスパークリングワインのことです。
しつこいですが、スパークリングワイン = シャンパーニュではありませんので注意が必要です。
シャンパーニュとは、シャンパーニュ地方で生産され条件を満たしたスパークリングワインのことであって、シャンパーニュと名乗っていいのはシャンパーニュ地方で生産され条件を満たしていないスパークリングワインだけです。
なんだか厳格なルールがあってちょいと面倒な世界観に思えるかもしれませんが、作りての思いや、品質担保の観点でもこのようなルールは重要だと思いますので、是非この機会に知っておいて損はないかと思います。
シャンパーニュ地方で生産されたスパークリングワインというだけではシャンパーニュを名乗ることができません。
シャンパーニュを名乗るには条件があり、その一つが指定のブドウ品種を使うこと。
シャンパーニュ地方で生産されたブドウを使うシャンパーニュと呼ばれるワインに使えるブドウは、シャンパーニュ地方で生産されたブドウしか使えません。
そしてワインの原料はブドウ100%。
要するにシャンパーニュ地方産のブドウだけを使ったワインがシャンパーニュ。もう少し深堀りすると、シャンパーニュには製法に関する厳しい基準があります。が、ここでは割愛して進めます。
つぎに、シャンパーニュで使うことが出来るブドウ品種を紹介します。
4.ブドウには種類がある?
あります。
ブドウには数え切れないほどの品種があります。そして、ワインに使用される代表的なブドウ品種の中から、シャンパーニュに使用できるブドウ品種には更に細かい決まりがあります。
シャンパーニュに使って良いのは7種類のブドウ品種
シャンパーニュに使って良いのは7種類のブドウのみ。そしてそのうち3種類が主要なシャンパーニュに使えるブドウ品種。
シャンパンになれるブドウ品種
- ピノ・ノワール
- ムニエ
- シャルドネ
- アルバンヌ
- プティ・メリエ
- ピノ・ブラン
- ピノ・グリ
以上の7種類がシャンパーニュ産であればシャンパンに使用できる。
主要な品種は1、2、3の3品種。
シャンパーニュはいくつかのブドウ品種をブレンドする場合と、ブレンドしない場合があります。
なぜブレンドする?
ブレンドする目的、それはブドウ品種ごとに個性があるためです。
例えば、味わいに力強さやボディを持たせたい場合はピノ・ノワールが使われる。
ミネラル感や華やかさを持たせたい場合はシャルドネが使われ、味わいに丸みやフルーティさを持たせる場合にはムニエが使われるといった具合に、それぞれの個性を生かしながら各メゾン(生産者)は独自の世界観を構築しています。
またシャンパーニュ地方の各地域の環境に応じて適した品種があり主要ブドウ品種の作付け分布もまたブランドの特徴を知る指標になります。
ブレンドすることをアッサンブラージュと言い、アッサンブラージュという手法を開発したのがご存知ドン・ペリニヨン。
1670年代に修道士であるドン・ペリニヨンが開発した手法がアッサンブラージュ。ドン・ペリニヨンは卓越したテイスティング能力を持っていたとされ、瓶内二次発酵による発泡性ワインの手法を発見した第一人者とされている。
ブレンドしないシャンパンもある?
あります。
ブドウをブレンドしない目的は、1品種の個性を生かしたシャンパンを生産するためです。
ピノ・ノワールの個性を存分に味わえるピノ・ノワール100%のシャンパンはブラン・ド・ノワールと呼ばれています。
ドラピエはピノ・ノワール主体のシャンパーニュ造りで有名なメゾン。中でも、ピノ100%のブラン・ド・ノワールのナチュールは厚い支持を受けているキュヴェ。
シャルドネ100%の個性を存分に味わえるシャルドネ100%のシャンパンをブラン・ド・ブランと呼ばれています。
超高級ブラン・ド・ブランで有名な「サロン」の姉妹ブランドに位置する「ドゥラモット」もブラン・ド・ブランで有名なブランド。
ピノ・ノワールって赤ワインに使うブドウじゃないの?
ピノ・ノワールは赤ワインに使用されるブドウ品種ですが、ブラン・ド・ノワールの見た目は黄金色をしたシャンパンです。
なぜ赤くないのかというと、果汁を搾る際に絞った果汁とブドウの皮を分けて発酵させるためです。
赤ワインがなぜ赤いのかといえば、ブドウの果皮を果汁と一緒に漬け込んで発酵させるから果皮の色素(アントシアニン)が果汁に滲み出るため。
ブドウ品種によって果皮が厚かったり薄かったりします。果皮の薄いピノ・ノワールは色素も少ないため色味の明るい赤ワインになります。その果皮を漬け込まないで発酵させるためピノ・ノワール100%のシャンパンであるブラン・ド・ノワールは赤くないんです。
シャンパンて高いイメージあるんだけど
たしかにシャンパンはワインの中でも高価格帯のワインです。
なぜなのか?
シャンパンで有名なLVMHのモエ・エ・シャンドンの生産量は決して少なくはありません。モエの年間生産量は3,000万本と言われています。
全シャンパーニュの15%以上をモエが生産しています。
大量生産なのになぜ高いのか?
3,000万本のワインというのは、1本750mlのワインが3,000万本ですから22,500キロリットルのワインということですが、2016年度の山梨県のワイン生産量は13,858キロリットルでしたから比較して見るとよくわかりますよね。
大量生産なのになぜ高いのか?
モエの中にもグレードがありますがレストランなどで振舞われているモエのブリュット(ブリュットとは残糖度6-15g / L、辛口のこと)はノン・ヴィンテージのシャンパン相場は平均4,000円前後で手に入ります。
この値段高いと感じますか?
比較してみましょう。
大量生産なのになぜ高いのか?
生産量では山梨ワインよりはるかに多いモエ。価格帯の幅がありますが、山梨県の中でも代表的な生産者4社のスパークリングワインの価格を見てみましょう。
- グレイス セレナ シャルドネ100% 瓶内二次発酵 18ヶ月熟成瓶 生産本数2,000本 4,950円
- シャトー・ルミエール KAKITSUBATA 瓶内二次発酵 山梨県産甲州種100% 4,620円
- SADOYA 甲府 スパークリング 甲府市産甲州100% 2,547円
- シャトー・マルス 穂坂シャルドネ甲州 生産数4,000本 2,750円
4社平均3,716円、4,000円弱です。
この4アイテムは瓶内二次発酵だったり国産シャルドネを使用していたりと国産スパークリングワインの中では比較的シャンパンに近いグレードのものを選びました。それにしてもですね、モエはコスパ良いと思います。
輸入するわけですから、税金以外にも物流でかなりコストがかかります。しかも知名度を高めるためのプロモーションも相当コストをかけます。
ルイ・ヴィトン・グループですからブランディングにも相当なコストが掛かります。
ちなみにグレイスのセレナに関しては生産本数2,000本しかなくて18ヶ月の瓶内二次発酵という生産工程ですから4,950円はかなりコスパいいです。
瓶内二次発酵を行なった上で15ヶ月以上の熟成が必須
シャンパンと名乗るにはいくつか条件がありますが、そのうちの一つとして、瓶内二次発酵を行なった上で15ヶ月以上の熟成が必須という条件。
作業工程は、下記のとおり。
- 収穫 →
- 選果 →
- 圧搾 →
- 清澄 →
- 一次発酵 →
- 調合 →
- 瓶詰 →
- 二次発酵 →
- 熟成(15ヶ月以上) →
- 動瓶 →
- 澱抜 →
- リキュール添加 →
- 打栓 →
- ラベル貼り →
- 出荷
どうですか?工程数に掛かる作業時間はかなりのもの。
瓶内二次発酵を行なった上で15ヶ月以上の熟成が必須なので、必然的に1年以上作った商品が換金されないわけなので、キャッシュフローを圧迫しますので、それ相応の経済的な体力がないと成立しないビジネスモデルですね。
販売されるまでに必要な時間が非常に長い
販売されるまでに必要な時間が非常に長い。
手間が掛かっているものって総じて高いものが多いですが、シャンパンの現実を知ると高いという感じはそこまでしないかもしれないですね。ワイン以外のお酒とワインを比較すると高く感じるかもしれませんが、モノの価値にフォーカスしたらコトの価値も見えます。
個人的な意見ですが、アルコール摂取を目的にしたら当然コスパが悪いですが、時間を楽しむことを目的とすれば非常に価値あるコストではないかなと思います。
ワインの製造工程を考えると値段以上の価値が含まれていると思います。モノとしてはただのお酒ですが、ワインには製造工程や歴史などエンターテインメント性が多分に含まれている、これはコトとしてのお酒の価値が非常に大きいということですね。
ビールであれば麦から瓶詰めまでにかかる期間は1ヶ月。シャンパンは瓶詰から15ヶ月以上熟成しないと出荷できない。ビールは仕込みに水を使いますがワインはブドウ果汁のみなので原料コストも全く違う。そもそもの生産工程が違うので比較するのもナンセンスなんですけどね。
でも、同じお酒というカテゴリーとしては値段の差があれば理由を知りたいですよね。レストランでビールが1,000円だとしても飲む。
飲みたいから飲む。モノの価値=コストではないですよね。ワインを飲む、シャンパンを飲む、ビールを飲む。体験や情報を飲む(取り込む)、ただモノを消費しているのではなく、コトも同時に消費している。
シャンパンの価値とは、アルコール摂取にあらず
コトの価値の大きさが見えてくるとシャンパンの価値もわかりやすくなるのではないかなと思います。あなたはワイン高いと感じますか?安いと感じますか?
このように限られた原料と手間のかかる工程を経て、ようやく完成したワインがシャンパンと名乗ることを許されます。
高品質を守り消費者からの信頼を守り、模倣品から生産者やワインを守るためにこのような厳しい制度を設けています。歴史やブランドに支払われる対価の適正価格とは深いです。
好きな音楽と共に、お気に入りのシャンパンを飲む。
おすすめ音楽記事もあるので参考になれば幸いです
今回は以上です、続きは次回!