本記事では、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(レッチリ、Red Hot Chili Peppers)のベーシスト、フリーが使用した歴代ベースを、時系列で整理・解説していきます。
※目次もご活用くださいませ。
深みを増した極上のグルーヴ
WARNER RECORDS
深みを増した極上のグルーヴ序章
WARNER RECORDS
深みを増した極上のグルーヴ続編
Music ∞♡ / Jazz / Punk / Rock / Funk / Electronic Music 1984年生まれ。東京在住。
プロフィール詳細
1.フリーが最近使用しているベースは?
まずはじめに、フリーが最近使用しているベースからチェックしていきましょう!
結論、最近のフリーは主に、下記の「フェンダー・カスタムショップ製フリー・ベース」を使用しています。
では、近年フリーが愛用している「フェンダー・カスタムショップ製フリー・ベース」を写真でチェックしていきましょう!
Fender Custom Shop / Flea Jazz Bass / Inca Silver
フリーが近年、メインベースとして使用しているのは「フェンダー・カスタムショップ製フリー・ジャズベース・インカシルバー」です!
下記ですね!
※上記は2020年2月8日の様子。
※このベースの詳細は「レッチリのフリーが使用した!歴代フェンダーベースの詳細!」にまとめてありますので、ぜひご参考ください。
そして、この「フェンダー・カスタムショップ製フリー・ジャズベース」を再現した「シグネチャーモデル」がフェンダーから正式に販売されており、さらにはフリーが所要するフェンダー61年製ジャズベースを再現した「シグネチャーモデル」も販売されています。
というわけで、つぎに、フリー・シグネチャーの「2モデル」をチェックしていきましょう!
2.フリー・シグネチャー現行2モデルはコレ!
現行のフリー・シグネチャーモデルは2モデルあります。
(それぞれ現在も入手可能!)
1つはフェンダーの「FLEA JAZZ BASS」、下記のモデルです!
もう1つもフェンダーで、「FLEA ACTIVE JAZZ BASS」、下記のモデル!
※それぞれ細部にこだわった代え難い魅力をもつモデルで、意外とコスパも高く、ファンの愛用者もおおい。
では、つぎに、フリーが使用するベース弦とピックを見ていきましょう!
3.フリーが使用するベース弦&ピック
1.フリーが使用するベース弦
フリーが使用しているベース弦は、ghsのフリーのシグネチャー弦です。
ゴリゴリで太くてワイルドな、フリーのベースサウンドに必須のアイテム。下記の弦です。
※なお、ツアー中「弦は毎日交換する」とのこと!
ご満悦です。
2.フリーが使用するピック
フリーはほとんどの楽曲を指弾きで演奏しますが、数曲でピック弾きもしています。その際に使用しているピックは、ベーステックのトレイシー・ロバー氏曰く「He uses pick on maybe 4 songs, Just a regular Dunlop Tortex 0.60」ということなので、「ジョンやジョシュと同じTortexのオレンジ」を使用していると思われます。
4.フリー特集のベース・マガジン
書籍も参考になります、定番ですがベース・マガジンのフリー特集号「2010年12月号」「2011年10月号」「2016年8月号」は、読んでおいて損はしないですよ。
なお、「ベース・マガジン 2021年2月号」は、ファンク特集なので、フリーが好きな方にもおすすめの内容になっています。ファンクベースに欠かせないエフェクターの紹介や、ファンクの名盤なども紹介されていて読み応えあり◎
※ちなみに、Kindle Unlimitedなら無料期間でも「ベース・マガジン 2021年2月号」が閲覧可能なので、下記も参考にしてみてくださいね。
余力があれば、レイカーズ・キャップ、ドジャース・キャップを被ったりすると、気分も上がるってもんです。
では、ここからは、フリーが使用した「歴代ベース」を見ていきましょう!
5.フリーが使用した「歴代ベース」一覧
- Music Man / Cutlass I / Pre Ernie Ball
- Music Man / Stingray / Pre Ernie Ball
- Spector NS-2J
- Spector (Kramer) NS-2
- Electric Wood Mk-Ⅱ
- Music Man / Stingray / Ernie Ball
- Modulus / Funk Unlimited FB4 / Flake Blue
- Modulus / Funk Unlimited FB4 / Flake Silver
- Modulus / Funk Unlimited FB4 / Tricolor
- Modulus / Funk Unlimited FB4 / 2-Tone Sunburst
- Modulus / Flea Bass / Black
- Modulus / Flea Bass / Aboriginal Painting
- Modulus / Flea Bass / Aboriginal Flag
- Flea Bass
- Fender / Jazz Bass / 1961
- Fender / Precision Bass
- Fender / Jazz Bass / Damien Hirst
- Fender Custom Shop / Flea Jazz Bass / Silver
- Fender Custom Shop / Flea Jazz Bass / Pink
- Fender Custom Shop / Flea Jazz Bass / LA Lakers
- Fender / FLEA JAZZ BASS
- Fender / FLEA ACTIVE JAZZ BASS
フリーがFenderとエンドースメント契約をしたのは割と近年の話。
過去には、ミュージックマンのスティングレイや、モジュラスのFB4を使用していました。
下記の動画のように、「フリー・ベースの楽しさ」を、紹介できたら幸いです。
※超楽しそう笑。
では、フリーが使用したベースを時系列でチェックしていきましょう!
6.フリーがレッチリ結成初期に使用したベース
1.Music Man / Cutlass I / Pre Ernie Ball
初期フリーといえば、ミュージックマンのスティングレイ。
ですが、初期フリーは、スティングレイと並行してミュージックマンのカトラス1も使用していました。下記のベースです。
※当時のカトラス1と、現行のカトラスシリーズはスペックが全く異なり、別物です。
フリーはスティングレイとカトラス1を、デビュー前から使用。
カトラス1はアーニーボール買収前のミュージックマンのラインナップで、80年代前半のデビュー。
※上記の時点では黄色の文字「TENNESSEE」の文字が見えていますが、下記ではイスラエル国旗(ヒレルの母国)が上から追加されているのがわかります。
下記の写真はアンソニーの衣装からおそらくフリーキー・スタイリー期のライブと思われ、フリーはカトラス1を使用していますね。なかなか見やすい角度の写真がなく。。
※1979年頃にスティングレイの残ったボディで試作が始まったらしい。
カトラス1の特徴はなんといっても、グラファイトネック。指板はエボニー。
※グラファイトネックといえば、後にフリーが使用したモジュラス・ベースが有名ですよね。
カトラス1のグラファイト・ネックはモジュラス製。フリーとモジュラスの関係は、既にこの頃から始まっていたのです。
カトラス1は当時の日本円で30万円ほど。
カトラス1はスティングレイの上位機種としてラインナップされており、スティングレイは当時の日本円で25万円ほど。
では次に、フリーが使用した「プレ・アーニーのスティングレイ」をみていきましょう!
2.Music Man / StingRay / Pre Ernie Ball
スティングレイのデビューは1976年。先述のカトラス1以前から、スティングレイは存在しています。
1976年の登場以来、アクティブEQ回路を搭載した最初の4弦ベースとして、スティングレイは史上もっとも象徴的なベースのひとつとされてきました。
出典:Music Man
スティングレイは、アクティブEQ回路を搭載したミュージックマンを代表するモデルで、フリーのように「スラップ奏法・フィンガー・ピック」など幅広い奏法を使いこなすテクニカルなベーシストから支持されています。
ちょっと見づらいですが、下記のベースです。
なお、ミュージックマンは1984年にアーニーボールに買収されましたが、アーニーボール傘下の1ブランドとなり、現在も健在です。
上記のフリーが使用したスティングレイは、1984年以前から使用されているため、アーニーボール買収前の、いわゆる「プレ・アーニー時代」の1本です。
フリーは、レッチリの1st〜2ndの時期にかけて、このスティングレイを使用しました。
このスティングレイの主な特徴は、下記の通りです。
- アルダー・ボディ
- メイプル・ネック
- アクティブEQ回路(プリアンプ)
- ハムバッカー・ピックアップ
- 1ボリューム・2バンドEQ
なお、このスティングレイとカトラス1は、ネック材が違うので、音にも違いがあります。
※スティングレイはメイプル・ネックで、カトラス1はグラファイト・ネックなので、サウンドに違いが出ます。
ちなみに、現行のミュージックマン・スティングレイは、約30万円ほど。
さらに、現行のミュージックマン・クラシック・スティングレイは、約35万円ほど。こちらは、裏通しブリッジ、2バンドEQといった当時のスティングレイを復刻したクラシック仕様なので、「プレ・アーニー時代」のスティングレイが気になる方は要チェック。
なお、現行のミュージックマン製品には、スティングレイと、スティングレイを少し小ぶりにしたデザインのミュージックマン・スターリンというモデルがあります。
さらに、現行のミュージックマン製品には、スターリン・バイ・ミュージックマンという廉価シリーズがあります。紛らわしい。。
「ミュージックマン・スティングレイ」の廉価モデルが、スターリン・バイ・ミュージックマンの「レイ」。
スターリン・バイ・ミュージックマンの「レイ」には「Ray4」と「Ray34」の2種類があり、主な違いはトーンコントロールの違い。
※「Ray4」は2バンドEQ、「Ray34」は3バンドEQ。
スティングレイを使用したベーシストで有名なのは、ルイス・ジョンソン(ブラザーズ・ジョンソン)。
ルイス・ジョンソンは、フリーがスティングレイでスラップする前から、スティングレイでスラップしていたことでも有名です。
下記の動画(1980年の名曲Stomp!)で、2:20〜ルイス・ジョンソンの超ゴキゲン・スラップが確認できます。
また、オーディオスレイヴのティム・カマフォードはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのデビューアルバムでスティングレイを使用。
さらに、ジョン・フルシアンテとのアタクシアや、フガジの活動で有名なジョー・ラリーも愛用しています。日本人では、YMO時代に細野晴臣さんが使用していたことでも有名です。
下記の動画は、スティングレイとカトラス1の見分け方をわかりやすくまとめてくれてますので、参考にしてみてください。
ちなみに、下記のYoung MC1989年ヒット「Bust a Move」でも、フリーが演奏するゴキゲン・スティングレイが聴けます。
※2:30〜ちょいちょいフリーのシーンがあります。赤スティングレイを使用。
7.フリーがThe Uplift Mofo Party Planで使用したベース
Spector / NS-2J
1986年頃からフリーは、スペクターの「NS-2J」を主にライブで使用していました。
下記のベースです。
フリーが使用する「NS-2J」は、「Fight Like a Brave」のMVで確認できます。
なお、「NS-2J」はボルトオンネックに、ドットインレイですが、後述する「NS-2」は、スルーネックに、クラウンインレイという仕様の差異があります。
「NS-2J」もEMGアクティブ・ピックアップを搭載していますが、ネック側とブリッジ側、共にジャズベース・タイプという構成。
また、金属パーツ類もすべてクロームメッキ。
スペクターは、1976年に創業、1985年にクレイマーに買収されます。なお、現在は創業者のスチュワート・スペクターの元に戻っています。
※クレイマーは、エディ・ヴァン・ヘイレンの使用で有名なギターメーカー。
8.フリーがMother’s Milkで使用したベース
Spector / NS-2 / Kramer
フリーが使用していた「NS-2」はクレイマー時代のモノ。フリーは、88年〜91年頃の期間、主にライブで「NS-2」を使用しました。
下記のベースが「NS-2」で、先述のスペクター「NS-2J」とは、指板に施されたインレイデザインからも違いの判別が可能です。
「NS-2」は、スリーピース・スルーネック構造で、グラファイトのバーを仕込んだネックを採用しています。
また、EMGアクティブ・ピックアップ仕様で、ネック側がプレシジョンベース・タイプ、ブリッジ側がジャズベース・タイプという構成のいわゆるPJ仕様。
なお、「NS-2」は金属パーツ類もすべてゴールドメッキで、「NS-2J」との仕様に差異があります。
下記の動画で、フリーが使用したスペクターの「NS-2J」と「NS-2」を確認できます。
Music Man / StingRay
リヴァー・フェニックスと。リヴァー・フェニックスとフリーやジョン・フルシアンテは親友関係。
9. フリーがBlood Sugar Sex Magikで使用したベース
Electric Wood Mk-Ⅱ
フリーは1991年の5thアルバム「ブラッド・シュガー・セックス・マジック」のレコーディングで、エレクトリック・ウッドの「ウォル Mk-Ⅱ」をメインベースとして使用しました。
エレクトリック・ウッドはイングランドで1974年に創業した楽器メーカー。
Music Man / StingRay5
名曲「Under the Bridge」のMVや、ファンキー・モンクスなどでは、5弦スティングレイも使用してますね。
ちなみにこの頃もライブではフリーが長年愛用しているボディがブラックで、ローズウッド指板のスティングレイがメインでした。
Music Man / StingRay
10.フリーがOne Hot Minuteで使用したベース
Music Man / StingRay / Ernie Ball
フリーは、新ギタリストにデイヴ・ナヴァロを迎えてレコーディングされた6thアルバム「ワン・ホット・ミニット」で、スティングレイをメインベースに再起用します。
1990年頃から愛用しているブラック・ボディにローズウッド指板のスティングレイが、フリーの愛用スティングレイの中でも有名な1本ではないかと思います。
※このスティングレイはアーニーボール社買収後のモデル。
フリーは、アーニー時代のスティングレイも愛用していました。
下記は、4thアルバム「マザーズ・ミルク」頃の写真。フリーはブラックボディにメイプル指板のスティングレイを構えてます。ブリッジは、なんだろコレ?純正じゃなさそう。
下記の動画では、フリーは愛用した全スティングレイが確認できるので参考になると思います!
11.フリーが使用した歴代モジュラスベース
ここからは、「フリーが使用した歴代モジュラスベース!」を使用順にチェックしていきます!
フリー・シグネチャーのモジュラスFB4は、モジュラスの「ファンク・アンリミテッド」を土台にデザインされています。
「フリーといえばモジュラス!」という方も多いのではないでしょうか!
12.フリーがプロデュースしたベース
今となっては「幻」と化した2009年にフリーがプロデュースした「フリー・ベース」。
「フリー・ベース」は「低価格・高品質」をウリに展開され、ロングスケール・モデルが当時なんと50,400円。さらに、ショートスケール・モデルに至っては当時44,700円で販売されていました。
「沢山のキッズに音楽に触れてほしい」との本人の意向を踏まえ、初心者にも求めやすい低価格と、音質の良さを求めたブランドとして注目されている。34インチ(ロングスケール)と30インチ(ショートスケール)が製品ラインナップに挙がっている。
出典:Wikipedia
「フリー・ベース」は下記の用に非常に愛らしいカラーリングが特徴で、下記のカラーリング名は「PUNK」。
※コストダウンのためと思われますがMade in Chinaです。
下記のカラーリング名は左からそれぞれ「WATER・THE WILD ONE・SUNNY」。
ポップなカラーリングと、ヘッドデザインの遊び心がフリーらしいですよね。
現代芸術家ダミアン・ハーストとのコラボ
「フリー・ベース」は、アヴァンギャルドの巨匠、現代芸術家のダミアン・ハースト(イギリス・ブリストル出身・1965年生まれ)とのコラボ・バージョンも話題になりました。下記ですね。
london-based damien hirst and california-based flea, of the american red hot chili peppers have collaborated on the spun guitar series.
出典:designboom
上記は、Brendan’s Death SongのMVですね。
下記も。こちらはThe Adventure of Rain Dance MaggieのMVですね。
ピックアップは、おそらく「Lane Poor Lagacy アクティブ・ハムバッカー・ピックアップ」。ブリッジは珍しくバダスに交換してないようです。
髪、服、ベース、三位一体。
※下記のモチーフをそのままベースに落とし込んだようなデザインでとても格好良いですね。
ちなみに、下記がダミアン・ハースト。フリーと世代も近く、フリーに通じるオーラをまとってますね。
13.フリーが使用した歴代フェンダーベース一覧
ここからは、「フリーが使用した歴代フェンダーベース!」をチェックしていきます!
フリーが使用したフェンダーベースといえば、やはり61年製シェルピンクのヴィンテージ・ジャズベースを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
とはいえ、下記のとおりフリーはジャズベも数種類使い分けており、更には課外活動ではプレベも使用しています。
近年のフリーは、先述のとおり、「フェンダー・カスタムショップ製フリー・ジャズベース・インカシルバー」をメインで使用しており、フェンダーとエンドースメント契約を交わしているのも有名ですよね!
14.まとめ:フリーのゴリゴリトーンとアクティブベース
フェンダーのフリーシグネチャー・アクティブベースは、フリーの多彩な奏法を支える万能ベース。
上質なプリアンプを搭載しているわりに、コスパ良し。
ミッド成分がしっかり出るピックアップなので、聞き手も弾き手も気持ちいい。
これで完璧。
フリーの歴代エフェクター
下記の記事は「フリーの使用エフェクター」を詳細にまとめています。
» 参考:フリー(レッチリ)使用エフェクター詳細
今日は以上です。
skでした。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
記事が参考になりましたら幸いです。
※深みを増した極上のグルーヴ
WARNER RECORDS
深みを増した極上のグルーヴ序章
ワーナーミュージック・ジャパン
グレイトの最上級、それがグレイテスト。必聴だよ。
※下記もあわせてどうぞ。
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