ジョー・ストラマーといえばテレキャスのイメージ。
やっぱアンプ直だよなあ。
でも、どんな機材使ってたのか意外と盲点だな。
使用ギターとアンプをわかりやすくまとめてほしい!
今回はこういった要望にこたえます!
ジョー・ストラマーといえば、この66年製フェンダー・テレキャスター。
ちなみに、ジョー・ストラマーはアンプ直です。
では、ジョー・ストラマーの使用ギター・アンプの詳細をみていきましょう!
1.ジョー・ストラマーの使用ギター
ジョー・ストラマーの使用ギターは下記のとおり。
- Fender 1966 Telecaster
- Fender 1960s Esquire
- Fender Stratocaster
- Höfner Verythin CT
- Gretsch White Falcon
これら以外に、Gibson 1961 SG Maestro Vibratoを使用している写真があったりしますが、これはザ・ダムドのブライアン・ジェイムスから借りたギターではないかと言われているため、今回のリストには含めませんでした。
では各ギターを、それぞれみていきましょう!
Fender 1966 Telecaster
ジョー・ストラマーといえば、この66年製フェンダー・テレキャスターですね。ハードにダメージを受けたパンクなテレキャスター。生涯の伴侶といわれた通称ストラマキャスター。
サンバースト・ボディを、黒スプレーで塗りつぶした「実に彼らしい」1本で、惚れ惚れします。
パンクでテレキャス使ってるギタリストって珍しいなって思ってます。ジョー・ストラマーのバッキングスタイルは、シンプルなカッティングが主体なので、そのままレゲエやスカにも直結していける。
むしろ、レゲエやスカに精通していたからこそシンプルなカッティングが主体になったともいえる。
だからこそ、ザ・クラッシュは音楽性の幅に広さがあったんです。
ジョー・ストラマーは父が外交官だったこともあり、イギリス以外にエジプトやドイツ、メキシコなどで幼少時代を過ごしています。いわゆるミドルクラス(中流階級)の家庭に生まれ、アートスクールを卒業しています。
こういった経緯も、ジョー・ストラマーの音楽性の幅の広さに大きな影響をあたえているんじゃないかなと思います。
下記の動画はザ・クラッシュの3rdアルバムからシングルカットされた「The Magnificent Seven(7人の偉人)」の公式MV。めっちゃかっこいい曲。このMVでも、しっかりテレキャス使ってます。
(各シーンで使用しているテレキャスが違いますね)
ちなみにこの「The Magnificent Seven(7人の偉人)」、すっごいレッチリぽいと思いませんか?
レッチリがクラッシュから影響を受けてるので語弊がありますけど、この曲が収録されている3rdアルバム「サンディニスタ!」は、レッチリのフリーが最も好きなロックアルバムの1枚なんです。
ポール・シムノンのベースライン、フリーは相当影響うけてますね。ジョン・フルシアンテもクラッシュ好きですしね。ミックのギターもめっちゃクール。
Fender 1960s Esquire
ジョー・ストラマーといえば、こちらも重要な1本、フェンダー・エスクワイヤーです。
ジョー・ストラマーは、「ロンドン・コーリング」や「コンバット・ロック」でフェンダー・エスクワイヤーを愛用していました。
エスクワイヤーは、1949年にレオ・フェンダーがプロトを製作し、テレキャスターの原型となったギターです。
エスクワイヤーは、1ピックアップ仕様と、2ピックアップ仕様を選べ、2ピックアップ仕様をブロードキャスターと呼称するようになりました。そして、ブロードキャスターが1951年にテレキャスターへと名称変更したという経緯があります。
ジョー・ストラマーのエスクワイヤーは、ローズ指板に変更されており、ホワイトブロンドボディに象徴的なブラック・ストライプが特徴。上記の写真に対し、下記の写真は、ボディのテキストとスカルペイントがかすれて時間経過を感じさせる。
エスクワイヤーは、アッシュ(プロトはパイン材)ボディにメイプルネックで、当時の雰囲気をむんむんに漂わす70周年記念エスクワイヤーがフェンダーから発売されています。
さらにこちらは、フェンダー・カスタムショップ製のジョー・ストラマー・エスクワイヤー。200万円超え。。
ジョーのアコギはめっちゃ安いんだが。
Fender Stratocaster
ラージヘッドのストラトを使用している1981年のウィーン公演。
テレキャスのイメージがあまりにも強いのでなんだか新鮮です。
Höfner Verythin CT
ヘフナーのセミアコです。ジョー・ストラマーがセミアコっていうのも新鮮な感じがします。
ヘフナーはドイツの楽器メーカーで、ポール・マッカトニーが愛用する「ヴァイオリンベース」が有名ですね、ギターも作っています。
ヘフナーのギター自体は、あまり有名ではないですが、ストーン・ローゼスのギタリスト、ジョン・スクワイアがペイントして使用してた、あのギターがヘフナーです。
下記の写真が、そのギターとジョン・スクワイア。見ずらいですが、結構ボディ厚が薄いのが見えるかと思います。
下記はカラー写真です。イアン・ブラウンのシャツがシンクロしてます。
Höfner Verythin CTは、その文字どおりボディ厚がヴェリシン(極薄)なセミアコ。ES-335よりも「薄い」です。
ジョー・ストラマーが使用してる写真が見つからなかったので、下記にヘフナー好きの方の写真を参考に載せておきます。ヴェリシンですな。
Gretsch White Falcon
ジョン・フルシアンテの使用で有名な、エレガントなフルアコ、グレッチのホワイト・ファルコンを、ジョー・ストラマーも使用していました。
ジョー・ストラマーが使用していたホワイト・ファルコンは、ダブル・カッタウェイ仕様でボディ厚が薄いセミアコボディなので、ジョン・フルシアンテが使用している58年製のホワイト・ファルコンとはだいぶ仕様が異なりますが。
下記の動画は、1977年のThe Roxyでのライブで、ジョー・ストラマーがホワイト・ファルコンのダブル・カッタウェイを使用している姿が確認できます。かなり見ずらいですが。。
2.ジョー・ストラマーの使用アンプ
ジョー・ストラマーの使用アンプは下記のとおり。
- VOX AC-30
- Marshall Super Lead
- Fender Twin Reverb Silverface
- Music Man 1970s 212-HD 130
では各アンプを、それぞれみていきましょう!
VOX 1964 AC-30
VOX AC-30は、1958年に登場したAC-15の後継機種。AC-15といえば、映画007の主人公、ジェームス・ボンドのテーマ曲で特徴的なギターサウンドを奏でた銘機。
ビートルズのアルバムでも数々の名演を支えたAC-15。
そして、AC-15の出力をより大きくするべく1960年に開発されたアンプがAC-30。AC-30はイギリスのミュージシャンをはじめ、多くのロックバンドを虜にしました。
ジョー・ストラマーもその内の1人。
VOXアンプは、マーシャルやフェンダーのアンプにはないブリティッシュロックらしいユニークな「品」を備えたサウンドが持ち味。
Marshall 1960s Super Lead 1959
ジョー・ストラマーのイメージからすると、ちょっと意外な気がしないでもないSuper Lead 1959。
マーシャルの初代モデルは、1962年にフェンダー・ベースマンを参考にして製作されたJTM45。
JTM45は、その名のとおり45ワット仕様のアンプで、ザ・フーのピート・タウンゼントをはじめとするロック・ギタリストが使用したことで知られます。
さらにマーシャルは、ますます大音量化していくロックに応えるべく、100ワット使用のアンプを開発開始。
この開発の経緯にはピート・タウンゼントのリクエストが影響していたとか。
そして、マーシャルは、1965年に100ワット仕様のSuper Lead 1959を発表します。
Super Lead 1959の初期モデルは、「プレキシ」の愛称でヴィンテージマニアから親しまれており、憧れのギター・アンプを代表するレア中のレアアンプ。
「プレキシ」はフロントパネルの材質である、アクリル(プレキシ)が名前の由来で、1965年〜1967年の短期間にしか製造されていないので、レアなんですね。
Fender 1970s Twin Reverb Silverface 150W
ジョー・ストラマーが1979年まで愛用したのが、フェンダーのツイン・リバーブ「シルバーフェイス」。
ツイン・リバーブならではのクリーントーンが魅力で、個人的にジョー・ストラマーのサウンドのイメージとマッチしている「シルバーフェイス」。
「シルバーフェイス」は、フロントパネルがシルバーなので、「シルバーフェイス(銀パネ)」と呼ばれています。
ツイン・リバーブは、1963年に発表された「ブラックフェイス」にはじまり、歪まずに大音量化させたアンプとして高評価を得ますが、1965年にCBSにフェンダーが買収されてからモディファイされますが評価が下降。
そのため結局、高評価を得ていたモディファイ前の設計に戻し、1968年にルックスをマイナーチェンジし、評価を取り戻していきました。この際に、フロントパネルを銀のパネルに変更したので「シルバーフェイス」と呼ばれています。
あらゆるジャンルに応えるクリーントーンが持ち味の「シルバーフェイス」は現在でも根強い人気を保っていますね。
Music Man 1970s 212-HD 130
ジョー・ストラマーが、フェンダーのツイン・リバーブ「シルバーフェイス」以降(1979年以降)愛用したのがミュージックマンの「212-HD 130」です。
「212-HD 130」は、1974年に発表され、フェンダー・アンプをファットにした様なコシのあるサウンドが持ち味で、HDシリーズはエリック・クラプトンも使用していたモデルです。
下記の動画で「212-HD 130」のサウンドがチェックできます。
3.まとめ:ロンドンパンクで「テレキャスター使い」は貴重
UK3大パンクバンドといえば、セックス・ピストルズ、ザ・ダムド、そしてザ・クラッシュ。
セックス・ピストルズのギタリスト、スティーヴ・ジョーンズはギブソンのレスポール・カスタム。パンクスがなんで、そんな高級ギター使ってんだ?と思った方はするどいです。このレスポール・カスタムは誰かから失敬したんでは?と言われています。さすがです笑
そして、ザ・ダムドのギタリスト、キャプテン・センシブルは、ギブソンのSG。これは、なんか納得。
ちなみにキャプテン・センシブルは、ザ・ダムドの1stと2ndアルバムではベースを担当しており、1stと2ndアルバムのギター担当は、ブライアン・ジェイムスでした。ブライアン・ジェイムスもSG使い。
で、ザ・クラッシュ。ザ・クラッシュのリードギターはミック・ジョーンズ。ミック・ジョーンズは、様々なギターを使いこなしていますが、初期は下記のように、ギブソンのレスポール・ジュニアの印象です。
そして、今回紹介したジョー・ストラマーは、先述のとおり、フェンダーのテレキャスターを愛用していました。
以上のように、初期パン・ギタリストは圧倒的にギブソン支持者が多かった中にあって、ジョー・ストラマーはテレキャス支持者だったんです。貴重な存在ですが、レゲエやダブといった要素を取り入れていくザ・クラッシュの音楽性を考えると至極自然なことのように感じます。
ザ・クラッシュが異質なパンクバンドだったのは、ジョー・ストラマーがテレキャス使いだったことにも所以しそうですね。
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今日は以上です。
skでした。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
記事が参考になりましたら幸いです。
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