この記事では、ノエル・ギャラガーの歴代使用エフェクターを、効果別で整理・解説します。
※目次もご活用くださいませ。
深みを増した極上のグルーヴ
WARNER RECORDS
深みを増した極上のグルーヴ序章
WARNER RECORDS
深みを増した極上のグルーヴ続編
Music ∞♡ / Jazz / Punk / Rock / Funk / Electronic Music 1984年生まれ。東京在住。
プロフィール詳細
1.歪みはTS系、最近はケンタウルスも
ノエル・ギャラガーが奏でるギターサウンドは、シンプルで骨太な音作りに特徴があり、そのギターサウンドを支えるエフェクターに関しても、実用性の高いペダルが多いので、実践向けアイディアとしてかなり参考になるのではないかなと思います。
まずはじめに、「ノエル・ギャラガー使用エフェクターのリスト」で、ざっくり全体像を掴んでみてください。
※そして、そのつぎに、それぞれのエフェクターの特徴をみていきましょう。
では、まずは「ノエル・ギャラガー使用エフェクターのリスト」からどうぞ!
ノエル・ギャラガー使用エフェクターのリスト
ノエル・ギャラガー使用エフェクターのリスト
- Ibanez TS808
- Ibanez TS9
- Klon Centaur
- JHS SuperBolt
- JHS Muffuletta
- ProCo Rat2
- MXR M133 Micro Amp
- MXR M102 Dyna Comp
- VOX V847
- CRY BABY GCB-95
- BOSS TR-2
- EarthQuaker Devices Arpanoid
- Keeley Gold Star Reverb
- BOSS DD-5
- Strymon El Capistan
- LINE6 DL4
※ノエル・ギャラガーのエフェクターは、オアシス初期の頃では「歪み・ワウ・ディレイ」の3本柱が軸となっており、基本的にはシンプルで骨太なギターサウンドを特徴としています。
とはいえ、実は結構「玄人好みなエフェクター」も嫌いじゃないノエル。
上記のリストからも「ノエルの趣味」がだいぶ滲み出て伝わってきてますが、基本的には定番モノ主体の構成になっていますね。
定番モノ主体の構成に「玄人好みなエフェクター」を、ちょっとだけ追加して使用しているような印象です。
それでは、つぎに、ノエル・ギャラガーが使用している「それぞれのエフェクターの特徴」をみていきましょう!
2.歪み系
Ibanez TS808
正統派歪み、オーバードライブの定番、TS808。
出た!って感じですよね。THE定番オーバードライブ。
ノエル・ギャラガーは、ソロのHigh Flying BirdsツアーでもTS808使用していますので、割と近年でも使用していることになります。
TS808は1979年に発売され、1979年のTS808がいわゆる初代。1980年にややルックスが変更されました。その後、2004年に復刻。そして、2014年にはTS808の35周年を記念した特別バージョンが発売されました。
ノエルのTS808は、初代のようです。
※下記の動画で、エレハモSoul Foodのサウンドチェックが可能です。TS808は、真空管アンプを歪ませて作られるトーンを演出する「原音に忠実」なペダル。
TS808はマイルドな中音域に特徴があり、オーバードライブの定番中の定番として多くのギタリストに愛されています。
※商品レビューにもあるようにTS808は、音の輪郭や、ツヤ感に特徴があり、好みが分かれます。とはいえ、この無骨で簡素な筐体、なんだか愛おしくなります。
Ibanez(アイバニーズ)
マイルドな中音域に特徴あり
Ibanez TS9
TS9はTS808直系のオーバードライブで、ノエルはTS9も使用しています。
これも、出た!って感じですよね。THE定番オーバードライブその2。
ノエルは2000年頃にTS9を使用していたようなので、オアシスの「Standing on the Shoulder of Giants」などはTS9を使用してそうですね。
※下記の派生図でわかるとおり、TS9のルーツはTS808。
※TS9はグレイシア。クールな印象のやや明るいトーンだからかな?
TS9は、Tube Screamerを愛用しているギタリストの中でも、下記の動画のとおり、ジョン・メイヤーのようなブルースに根ざしたシンプルでふくよかなトーンを好むギタリストから非常に支持されている。
それにしても、ジョン・メイヤー、一体何個TS持ってるんでしょうね。
TS9然り、定番ペダルは奥が非常に深く、根強い人気があります。商品レビューにもあるようにふくよかなトーンがお好きならぜひ一度は試してほしい1台です。
Ibanez(アイバニーズ)
オーバードライヴの代名詞とも呼べるTS9チューブスクリーマー。
Klon Centaur
ノエルのオーバードライブは、近年Klonケンタウルスがメインになっているようです。ケンタウルスは、エフェクターマニア垂涎の激レアペダル。
Klonは、ギタリストだったビル・フィネガン氏が創業したエフェクター・メーカーで、銘機ケンタウルスの生みの親。「TS9のその先」を目指し開発されたケンタウルス。
ノエルは2016年のツアーで、Klonケンタウルスを使用しています。
ちなみに、下記はケンタウルスの派生図。
イーブイ(Klonケンタウルス)から、ブースター(Electro-Harmonix Soul Food)へと進化する流れかわいい。
※ちなみに上記の派生図は、カンザスのハンドメイドエフェクター・メーカー「JHSペダルス」によるもの。ノエルも「JHSペダルス」の愛用者で、「JHSペダルス」のファズなどを使用しています。つぎにJHSのノエルも使用しているオーバードライブを紹介します。
なお、エレハモSoul Foodは、マイク・マシューズの「Klonケンタウルス・サウンドを多くの人へシェアしたい」という思いを実現するために開発されたオーバードライブ。
※下記の動画で、エレハモSoul Foodのサウンドチェックが可能です。
※下記の書籍「The EFFECTOR BOOK Vol.48」は、Klonケンタウルス特集号です。
※そして下記がエレハモSoul Foodです。
ELECTRO-HARMONIX
Klon ケンタウルスをモチーフに製作された本機は、楽器自体のサウンドを大事にするトーンに敏感なプレイヤーに向けたオーバードライブ。
JHS SuperBolt
ノエル・ギャラガーは、先述の派生図で紹介した「JHSペダルス」のオーバードライブ、SuperBoltの愛用者。
JHSの人気機種であるSuperBoltは、ジミー・ペイジが使用した1960年代Suproアンプのトーンを再現したオーバードライブ。
※下記の動画で、SuperBoltのサウンドチェックが可能です。
ジャリジャリしたトーンが独特で気持ちいい。
ノエルは2016年のツアーで、このSuperBoltを使用しています。
JHS Pedals
SuperBolt V2は、1960年代のSuproアンプのトーンをエミュレートした回路を心臓部に持つオーバードライブです。
JHS Morning Glory
これは、せっかくなので紹介したいペダル。
これはノエルが使用しているわけではないのですが。
でも、ナイス・ネーミングなのでチェックしておきましょう。
このMorning Gloryは、さきほどのSuperBoltと同じく「JHSペダルス」が製造しているオーバードライブで、Masrhallのアンプ、Bluesbreakerのトーンをフィーチャーしたオーバードライブです。
なお、このMorning Gloryは、2009年の発売から進化を続け、現在は第4世代のV4。音圧感、音色など、パワフルで気持ちいいトーンが特徴です。
ジョン・メイヤーなどモダンなブルース・トーンが好きな方にも超おすすめのペダル。
※下記の動画で、Morning Gloryのサウンドチェックが可能です。
※下記がMorning Gloryです。
JHS Pedals
強いミッドレンジやサウンドキャラクターの変更をしない、透明なオーバードライブペダル。
JHS Muffuletta
このMuffulettaは5種類のクラシックビッグマフ回路を再現した機能的、かつ、実用的な一台。
エレハモのクラシック名機「Ram’s Head」「Triangle」「Pi」「Green Russian」「Civil War」の5種類と、プラスでJHSオリジナル「JHS2015」のファズサウンドを選択できるので、マニアックな要素満載なのに、結構実用的で、かなり幅広く使えます。
ノエルは2016年のツアーで、このMuffulettaを使用しています。
※下記の動画で、Muffulettaのサウンドチェックが可能です。
※ブラック&イエローの配色が格好いい。
JHS Pedals
コンパクトで扱いやすいサイズ感。
※アーミーグリーンもあり。
JHS Pedals
旧仕様のブラックボディ/イエローノブとはカラーが異なるのみで、内部基盤やサウンドに違いはありません。
※念の為下記に、元ネタとなっているビッグマフ5種の現行モデルをまとめておきました。
※Ram’s Head
ELECTRO-HARMONIX
オリジナルのRam's Head Big Muffの価格は天文学的な金額に達している。このリイシューモデルは、伝説的なレコーディングや有名なギターソロで聞かれる伝統的な V2 Big Muff のトーンそのままだ。仕事をしているミュージシャンなら誰でも手頃な価格で購入できるんだ。-Mike Matthews-
下記は「Triangle」のデモ。渋みと甘みがクセになる美味しさ。ちなみにこの「Triangle」は、1969年の回路を忠実に復刻しています。
※Triangle
ELECTRO-HARMONIX
オリジナルペダルは数百ドルで取引されており、非常に高騰している。この復刻はクリーミーでバイオリンのようなサステインと音楽的なトーンのV1をミュージシャンが手に入れやすい価格で提供する為のものだ。-Mike Matthews-
※Pi
ELECTRO-HARMONIX
NYCオリジナル、USA製のBig Muff。
※Green Russian
ELECTRO-HARMONIX
1990年代半ばから2000年頃まで製造されたロシアSovtek社時代のGreen Russian Big Muffの回路を完全踏襲。
※Civil War
ELECTRO-HARMONIX
1991年前後に作られたSovtek時代の“CivilWar“と呼ばれるBigMuff(青とグレーの筐体になぞらえて呼ばれました)には、“TallFontGreenRussian“BigMuffやEHXGreenRussianBigMuffと同じ回路が使われていました。
ProCo Rat2
これは、もはや説明不要かとは思いますが、ロックの定番ディストーション、Rat2。
ディストーションといえばコレ。ノエルも使ってます。
ProCoはミシガンのエフェクターメーカー。
Rat2は、ギターからの信号の大小に応じて歪み方が変わるという点で、構造的にはオーバードライブに分類されますが、Rat2は深く重い歪みが特徴なので、ディストーションペダルとして認識されています。
※下記の動画で、Rat2のサウンドチェックが可能です。
イケベ40周年バージョンは、ホワイト、イエロー、レッドの限定カラーもあり。
プロコ(ProCo)
エッジの効いたきめ細やかな歪みと心地よいロングサスティン。
MXR M133 Micro Amp
こちらも定番中の定番ブースター、MXRのM133Micro Amp。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテ、フリー、ジョシュ・クリングホッファーが使用していることでも有名です。
こちらは2011年頃、ノエルの足元にセットされてました。
※下記がM133Micro Ampです。
MXR
音を歪ませることなく、ブーストさせることが可能な、クリーン・ブースターの定番モデル。
3.ダイナミクス系
MXR M102 Dyna Comp
こちらも定番中の定番コンプ、MXRのM102 Dyna Comp。
これもレッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテが使用してましたね。
こちらは2011年頃、ノエルの足元にセットされてました。
※下記がM102 Dyna Compです。
MXR
ギター用コンプレッサーの代名詞とも呼べる”ダイナコンプ”はこれまで世界中のトップギタリスト達の足元に必ずといってよいほど。
4.フィルター系
VOX V847
ノエルは初期の頃はヴォックスのワウペダルを使用。1996年のMaine Roadのライヴ時のボードにもヴォックスのワウペダルがセットされています。
VOX(ヴォックス)
V847は、現在でも絶大な人気を誇るV846を、オリジナルの金型を使用したスタイリングだけでなく、サウンドの可変範囲を左右するペダルのラック&ピニオン・ギア、さらにはサウンドの個性を決定するコイルなど、細部に至るまで完全に再現。本物のVOXだけが持つフォルムとサウンドを実現した。
CRY BABY GCB-95
その後ノエルのボードのワウペダルは、ヴォックスからジム・ダンロップのCRY BABYへ変更されていることが確認されています。少し歪んだワウサウンドを狙って変更したのではと考えられます。
JIM DUNLOP
Jimi Hendrix、 Eric Clapton、 Buddy Guy、 David Gilmourなど多くの偉大なミュージシャンが使った伝説的なワウワウ。
5.モジュレーション系
BOSS TR-2
メランコリックで、サイケデリックなムードを楽曲に与えてくれる温かみのあるトレモロTR-2。これも2011年のソロツアー時もボードに組まれていました。
BOSS
ビンテージ・アンプ内蔵の台形波トレモロを忠実再現。なめらかなトレモロ・サウンドから、機関銃のような効果のスイッチング奏法まで、多彩なトレモロ効果が得られるWAVEコントローラーを装備。
EarthQuaker Devices Arpanoid
EarthQuaker DevicesのArpanoidは、独創的な和音に対応したアルペジエーターです。上昇、下降、上下の3パターンのアルペジエーター効果で、かなりトリッキーなサウンドを生み出します。
ノエルはWho Built the Moon?制作時に、Arpanoidを採用したと思われます。
(参照:Noel Gallagher’s ‘Who Built the Moon’)
下記はEarthQuaker Devices公式インスタのArpanoid動画です。めっちゃ愉快なペダル。
Earth Quaker Devices
珍しいポリフォニック(和音)対応のコンパクトタイプ・アルペジエーターです。
6.空間系
Keeley Gold Star Reverb
Keeley Gold Star Reverbはなかなか変態チックなリヴァーブです。フランジモードや、歪みモード、コンプモードを搭載したリヴァーブで、かなりサイケデリックな香りを漂わすことができるペダルです。
ノエルはこのペダルを2016年のライヴで使用しています。「ニール・ヤングの様な音が出る」と大層喜んだそうな。
キーリーは元々アイバニーズやBOSSのペダルのモディファイを家業としていましたが、そのクオリティの高さに評価が集まり、オリジナルのペダルも製作するようになった、小規模なエフェクター・メーカーでした。
このペダルは、なかなかマニアックなチョイスですが、けっこうクセになる代えがきかない唯一性のあるサウンドなので、この機会に是非チェックしてみてくださいね。
BOSS DD-5
これも超定番、ボスのデジタルディレイDD-5です。
Strymon El Capistan
こちらは新進ブランドのストライモンによるテープエコー・モデラーのエル・キャピスタン。プロの評価も高い極甘テープエコーサウンドで、心地よいディレイサウンドを供給します。
このペダルをノエルは、ソロの『フー・ビルト・ザ・ムーン?』で使用しています。
Strymon
dTapeテクノロジーを開発することによって3種類のテープエコー・マシンのサウンドを再現しています。
LINE6 DL4
こちらも定番のディレイ、LINE6 DL4。レッチリのジョン、ジョシュも使用しています。こちらも2011年のノエルのボードにセットされています。
Line 6
DL4 Delay Modelerはチューブ・ドライブ、テープ・ループ・エコー(ワウ・フラッターを調整可能)、24ビット・クリーン・デジタル・エコー、リアルタイム・リバース・エコーなどのディレイを15種搭載。
7.近年は空間系も充実
ノエルのエフェクターは徐々にバリエーション豊かになっています。High Flying Birds以降、特にWho Built the Moon?以降は、今までにないノエルの側面にフィーチャーしたサウンドプロダクトということもあり、飛び道具的なエフェクターの使用も目立ってきました。
特にナッシュのジャズマスター・モデルを使用時は、かなり空間系のエフェクティブなサウンドのバリエーションが増えてますね。
ノエルの歴代ギターはこちら「ノエル・ギャラガー使用ギター」に詳細があり、ノエルの歴代ギターを「時系列で整理・解説」しています。アーカイブとして、お役立ていただけたらと思います。
記事が参考になりましたら幸いです。
今日は以上です。
skでした。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
記事が参考になりましたら幸いです。
※深みを増した極上のグルーヴ
WARNER RECORDS
深みを増した極上のグルーヴ序章
ワーナーミュージック・ジャパン
グレイトの最上級、それがグレイテスト。必聴だよ。
※下記もあわせてどうぞ。
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