レッチリの作品の中でもジョン・フルシアンテ色が強い作品はどれだろう?
中期の優しい印象のレッチリが結構好きなんだけど、どれがおすすめかな?
ずばり、上記のようなあなたには、By the Wayがおすすめです。
理由や作品詳細は本文でお伝えしていきます!
※目次もご活用くださいませ。
深みを増した極上のグルーヴ
WARNER RECORDS
深みを増した極上のグルーヴ序章
WARNER RECORDS
深みを増した極上のグルーヴ続編
では詳細みていきましょう!
Music ∞♡ / Jazz / Punk / Rock / Funk / Electronic Music 1984年生まれ。東京在住。
プロフィール詳細
アルバムBy the Wayの概要
制作時期
By the Wayは、2002年7月にリリースされたレッチリ(Red Hot Chili Peppers)の8枚目にあたるスタジオアルバムです。制作時期は2001年の11月から翌年2002年の5月、約半年という短期間で制作されています。
レコーディングには前作同様、ロサンゼルスのCello Studioが使用され、併せて本作ではセレブホテルのThe Chateau Marmontも利用しています。バンドとしての一体感や空気感が穏やかで、リラックスしたムードはこういった要素からも来ているかもしれません。
本作の最大の特徴は、ハーモニー
レッチリといえば、ファンクロックや、ラップロックと言われるスタイルで知られるアグレッシブな音楽性が特徴ですが、本作ではアグレッシブな音楽性は控えめです。
というのも、前作収録のScar Tissue、Californication、Otherside、Porcelain、遡ればUnder the Bridgeや、Soul to Squeezeなどで発揮されていたジョン・フルシアンテの優しいメロディセンスやアレンジセンスが色濃く本作には反映されているからですね。
ジョン・フルシアンテ色が強いおすすめ作品である理由
By the Wayがなぜ、ジョン・フルシアンテ色が強いおすすめ作品なのか、その理由は、本作には過去作にはないほどにジョンが意図したアレンジをフィーチャーしているからです。
本作の各メンバーやギターのハーモニーなどは、バンドアンサンブルに重きがあり、個人プレイよりチームプレイを大切にしたアレンジになっており、全体の要素がヴォーカルのメロディやハーモニーにフォーカスしている、これらはジョンのアレンジ力が大きく影響しています。ゆえに、本作はジョン・フルシアンテ色が強い。
本作はファンクロックや、ラップロックの要素は少なく(Can’t Stopのような楽曲ですらサビは超メロウ)、ヴォーカル・ハーモニーが過去作にはないレベルで強調されており、バンドアンサンブル全体の美しいハーモニーがフィーチャーされた作品、それが本作のBy the Wayです。
ゆえに、本作はドラムのチャド曰く「Very John」であり、ジョン・フルシアンテ色が非常に強い作品なんですね。
ジョン・フルシアンテは、98年にレッチリに復帰し、同年に前作のCalifornicationを制作。Californicationは、復帰後まもないにも関わらず、ジョンのメロディセンスが高く評価され、成熟したレッチリの枯れたサウンドは世界中で大ヒット、レッチリ史上最高セールスを記録しました。
そして、Californication制作から約3年後に本作は制作されました。本作By the Wayでは、バンドアンサンブル全体で表現するハーモニーセンスが特徴となる楽曲が多く、ヴォーカル・ハーモニー、ギターの多重録音など、以前にも増して、レコーディングに対するモチベーションの高さが伺わせる完成度に仕上がっています。
ジョン・フルシアンテのアレンジセンスがかなり強く施されることで、自ずとアンソニーのパートもラップ以上にメロディ重視のヴォーカルの比重があがり、作品全体のメロウなムードとリラックス感に大きく貢献しています。
本作の特徴である、ヴォーカル・ハーモニーやバンドアンサンブルは、このようにジョン・フルシアンテの采配力が作品制作に大きく影響が出ているため、「Very John」なのです。
制作メンバー
本作の制作メンバーは、Californicationと同様、黄金メンバーで制作されています。
ヴォーカルはアンソニー・キーディス、ベースはもちろんフリー、ドラムにチャド・スミス。そして、ギターがジョン・フルシアンテ。
また、プロデューサーも前作同様、5thアルバムからずっと共同作業しているリック・ルービンを起用し本作も制作されています。
ちなみに、アルバムジャケットの印象的なアートワークは、Julian Schnabel(ジュリアン・シュナベル)による作品。Julian Schnabelは映画監督であり、芸術家。Julian Schnabelの監督代表作品は、「バスキア」や「夜になるまえに」など、有名な作品も多いです。
当時、ジョン・フルシアンテが交際していたガール・フレンドで女優のStella Schnabelの父が、Julian Schnabel。Julian Schnabel自らレッチリの新作のアート監督をレッチリへオファーしたそう。ジョンは本作のアートワークを非常に気に入っているそうです。
アルバムジャケットの女性の肖像はStella Schnabelを、父のJulian Schnabelが描いています。
アルバムBy the Wayの代表曲
By the Wayの代表曲は、”By the Way”です。
とはいえ、前作同様、本作も名曲が多く、ライブでも大人気のCan’t Stopや、ドラムマシーンの導入が物議を醸したThe Zephyr Songなど、強い楽曲が多いアルバムなので、どれか1曲選ぶというのも難しいのですが。
本アルバムからの1stシングルとしてリリースされた”By the Way”は、ビルボード・チャートのロック部門で1位をマークし、総合チャートでも34位を記録。本アルバムリリース前の一ヶ月前(2002年6月)にリリースされた”By the Way”は、アルバムへの期待感を大いにアピールする象徴的な楽曲となりました。
なぜ”By the Way”が本作の代表曲なのかというと、By the Wayには、アルバムBy the Wayの全体像を印象づける要素として重要な豊かなハーモニー、キャッチーなメロディ、ヴォーカルをフィーチャーしたアレンジの全ての要素が満たされており、さらにはグルーヴ感や、ラップなど、レッチリらしい要素を兼ね備えているため、アルバムBy the Wayを象徴する楽曲だからです。
“By the Way”は、ギターとベースのシンプルなハーモニーと、象徴的なヴォーカルの一節から始まる構成で、以前にはないレッチリのムードを感じさせる静かなイントロで始まります。イントロのあとにはレッチリらしいアグレッシブなグルーヴをドラムとベースが描き、その上をアンソニーのラップが歯切れよく畳み掛けていく構成で、めちゃめちゃかっこいいです。
“By the Way”の構成は、イントロからサビ、そしてアウトロへ進むシンプルなつくりで、コード進行もシンプルなのに、ドラマティックな展開に感じるのは、曲中に強い緩急があるからです。
“By the Way”は、MVで表現されているように、ハラハラドキドキ感と、安堵感が共存しています。各メンバーもそれぞれシンプルな演奏に終始しており、バンド全体のアンサンブルや、ヴォーカルのメロディーを引き立てるアレンジは、アルバムBy the Wayでジョンが描いた特徴的な手法です。
この”By the Way”にはギターソロがありません。これが物語るのは、つまり、本作のアレンジはヴォーカルのメロディーにフォーカスし、バンド全体のアンサンブルを重要視しているということではないでしょうか。これは、本作は「ハーモニーを大切にしている」最たる例といえると思います。
レッチリの作品は以前から個ではなく全体で表現してきましたが、本作はハーモニーを全体で表現した作品。それが”By the Way”であり、アルバムBy the Wayなんですね。
アルバムBy the Wayの収録曲
アルバムBy the Wayの収録曲一覧
タイトルナンバーのBy the Wayで始まる本作は、16曲収録され、ハード、ソフト、メロウ、陰と陽など、レッチリのあらゆる要素が凝縮され、美しいハーモニーセンスが作品全体を優しく包んでいます。
そのため、いわゆるファンキーなレッチリを期待すると裏切られるかもしれないですね。
もちろん、Can’t Stopや、By the Wayのように強力なグルーヴを含んだ楽曲も収録されているので、ファンキーなグルーヴ感も、あるにはあります。
しかし、Can’t Stopや、By the Wayも、アレンジはドラマティックです。なので、ファンキーなだけではないメロウな要素に包まれており、いわゆるファンキーなレッチリを期待すると裏切られるかもしれないです。
とはいえ、こういった要素はジョン・フルシアンテが参加して制作された2作品目にあたる、Blood Sugarで既に現れていた要素。
つまり、バンドの成長と共に、アンソニーやフリーの「ジョンに対する期待感」にジョンが応えてきた結果として、レッチリの作品制作におけるジョンの采配力が大きく影響するようになったと考えれば、本作のハーモニー要素豊かな作風は、極自然な成り行きなのかもしれませんよね。
それに、本作が「Very John」であっても、やはりレッチリはバンドなので、各メンバーの一体感が美しいバランスで成立したからこそ生まれたムードというものが、この作品にも出ていると思います。
Universally Speaking、Dosed、The Zephyr Song、Tearなど多くの楽曲でレッチリの新境地を感じることができます。
収録曲は下記のとおりです。
- By the Way:1stシングル
- Universally Speaking:5thシングル
- This Is the Place
- Dosed:4thシングル
- Don’t Forget Me
- The Zephyr Song:2ndシングル
- Can’t Stop:3rdシングル
- I Could Die for You
- Midnight
- Throw Away Your Television
- Cabron
- Tear
- On Mercury
- Minor Thing
- Warm Tape
- Venice Queen
名曲だらけですが、僕はThrow Away Your Televisionがすごく好きで、宇宙のような広がりを感じる壮大なアレンジはライブでも最高にかっこいい楽曲なのでオススメです。
レッチリの8thアルバムBy the Wayの魅力
今回紹介したBy the Wayは、レッチリ史上もっともジョン・フルシアンテ色の強い作品と言われています。僕もそう思いますし、アンソニーのラップ量からしてみても、ヴォーカルへのアプローチの仕方にジョンの采配が強く出ているのは明らかです。
作品全体を包むような優しいハーモニーが特徴のアルバムで、ヴォーカル・ハーモニーやバンドアンサンブルが本当にかっこいい作品。
着実にアンソニーとフリーからの期待に応えてきたジョンがいたからこそ、この素晴らしいハーモニーをバンド全体で表現できたんだと思います。
Can’t Stopや、By the Wayのようなグルーヴ感の強い楽曲ですら、メロウで優しい要素が入ることで、エモいサビが胸に刺さってきます。
ジョンは本作の制作期間を「私の人生で最も幸せな時期の1つ」と言っています。この作品の優しいムードはバンドそのものの一体感や安心感がもたらしているのかもしれません。
ジョン・フルシアンテ在籍時のレッチリおすすめアルバム
ジョン・フルシアンテ在籍時のレッチリおすすめアルバムを「ジョン・フルシアンテ在籍時のレッチリおすすめアルバム3選!【Red Hot Chili Peppers】」にまとめました!
今日は以上です。
skでした。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
記事が参考になりましたら幸いです。
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