Trickfinger作品を一覧できるまとめ記事を作成しました。
この記事の特徴
- タイトル&リリース日を「目次で網羅」できます。
- 目次は「作品のリリース順」に整理してあります。
- リリース日は「Wikipediaを参照」し正確に記述しています。
- 作品ごとに「おすすめ曲を提案」しておりますのでご参考ください。
参照サイト
※目次もご活用くださいませ。
深みを増した極上のグルーヴ
1.Sect In Sgt: July 30, 2012
Trickfingerが2012年にリリースした2曲入り1st EP「Sect In Sgt」。
※Trickfinger – Sect In Sgt
本作「Sect In Sgt」は「Neurotic Yell Records」からのリリースです。
「Sect In Sgt」は当初、Bandcampのみでの無料ダウンロード配信によるリリースでしたが、2015年11月24日にBandcampとSoundcloudにて「Sect In Sgt ロングバージョン」を含む未発表音源18曲を無料ダウンロード配信しました。
なお、下記に引用し、その引用元を掲載しておりますとおり、これらの無料ダウンロード配信に関し、ジョン・フルシアンテは明確な意思表示をしています。
フルシアンテはこれら音源を“リリースのためではなく、純粋に音楽を作ることを目的に作られたもの”と説明しています。
出典:amass
これらは、あくまでも販売を前提とした「クリエイション」なのではなく、「クリエイション」することが目的であって、それらのいくつかを「公開」したいため、「クリエイション」を「公開」した。「クリエイション」を「公開」したいだけだから「販売には至らない」と。
これらは「ある種のアンチ活動」として解釈される場合もあるかもしれないですし、ジョン・フルシアンテの意識の中には「世にあふれる販売用のクリエイション」に含まれる「収益性を重視する特性」に対する反発ももちろんあるとは思うのですが、それら以上に、上記の意思表示はあくまで「ジョン・フルシアンテとしての大前提」を明言しているという部分を個人的にはフォーカスしたい。
というのも、以前から「金儲け」のために音楽を作ってきたわけではないジョン・フルシアンテは、ジョン・フルシアンテ名義の2ndアルバムを「金のために」リリースしたことを後悔しているという発言も過去のインタビューにあり、「いつだってクリエイションありきなんだ、、」というジレンマと戦ってきたアーティストの真意を垣間見る思いのためです。
(私はこの姿勢に強く共感と敬意を抱いております。「レッチリのジョン」という看板が時としてジョン・フルシアンテ自身の「アーティストとしての自由」を奪い兼ねない反面、「レッチリのジョン」だったからこそ「理解者と支援」があるという可能性について否定することはできないというジレンマがいつでも重い重い足かせとなり、ジョン・フルシアンテがピュアな「クリエイション」を追求すればするほど、内在する「販売用のクリエイション」への反発と「販売用のクリエイション」への恩恵に葛藤するのかなと思うと、勝手ながら強烈なジレンマを感じてしまうため、私はこの姿勢に強く共感と敬意を抱く次第です。ジョンはいつだって「クリエイション」を追求してきましたから。)
つまり、それは恣意的な発言ではなく、それは本質的な意思がそこに注がれているんだ、ということに注視したいなと、思っておるしだいです。
とはいえ、この作品のアートワークからひしひしと「商業作品に対するアンチ」を秘めているとは思っていまして、「顔面にコラージュされたステージの華やかなレーザー光線」と「高圧的に差し出される右手」は、まるで「ビジネスのことで頭がいっぱいの人」を表現しているかのようで。さらに、ロングバージョンの「Sect In Sgt」のサーモグラフィ化され引用されたアートワークでは、人体に近づくほど温度が低く表現されており「冷たい人間」と暗に、というかあからさまに表現していますので。
※Sect In Sgt
ジョン・フルシアンテは「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ在籍第二期(1997年〜2009年)」の頃から既にエイフェックス・ツインやスクエアプッシャーへの興味関心を明らかにしておりましたし、それ以前からフランク・ザッパやキャプテン・ビーフハートからもジョンは多分にインスピレーションを得ておりますゆえ、ジョン・フルシアンテ名義のソロ1stや2ndにもその影響が滲み出しているように、ジョン・フルシアンテは多種多様な音楽を愛し、通説的な「ジャンルの枠」にとどまることは主体的に好まない姿勢もありますので「Sect In Sgt」のような作品があっても、みなさまも同様に決して驚くことは少ないのではないかなと思います。
とはいえ「Sect In Sgt」のような音楽と「レッチリのジョン」とをシームレスにリンクさせるのはやや困難が伴う可能性を秘めているかもしれないとは思います。
「Sect In Sgt」は下記にツイートもしたのですが、様々な楽曲をジョン・フルシアンテのフィルターを通しマッシュアップすることで1つの楽曲を構成しています。
“SECT IN SGT”
— sk (@sk1984com) March 16, 2022
Deep Purple: Living Wreck, Black Sabbath: Wicked World, Frankie Goes to Hollywood: Relax, Nirvana, Led Zeppelin… Trickfingerhttps://t.co/F3P20eqPvI
「Sect In Sgt」には、たとえば、ディープパープル「Living Wreck」の1節だったり、ブラックサバス「Wicked World」の1節が参照されています。
※Living Wreck
※Wicked World (2009 – Remaster)
Data | Name |
---|---|
Artist | Trickfinger |
Label | Neurotic Yell Records |
2.Trickfinger: April 7, 2015
おつぎは2015年リリースの1stアルバム「Trickfinger」。
レコーディングは2007年。
本作「Trickfinger」は、ロサンゼルスを拠点にアシッドハウス作品をリリースしているベルリンのレコードレーベル「Acid Test」からのリリース。
※下記から「Acid Test」10周年コンピ「10 Years Of Acid Test」をプレビューできます。
アシッドハウスやIDMの文脈に通じる本作は、本作がTrickfinger名義であることからもわかるように、「レッチリのジョン」である以前に「ジョン・フルシアンテ」であり、さらには独り歩きしかねない「ジョン・フルシアンテ」という先入観に囚われることのないプロジェクトとして、純粋にミュージシャンとして、純粋にアーティストとして、純粋にプロデューサーであり、純粋にクリエイターであるジョン・フルシアンテが、電子機器を駆使した「クリエイション」が凝縮された内容です。
ゆえに本作はTrickfingerの作品ですので、あくまでも「エレクトロニックミュージック」として仕上げた作品となっています。
それゆえ「ジョン・フルシアンテ」ぽくない作品であって当然といえば当然なわけですが、そこかしこに「ジョン・フルシアンテ」を感じる「バランス感」というのがあるように思うのは、私自身の一方的な思い込みに過ぎないだろうという仮説のもと「ただひたすらに」その世界観へ没入することをおすすめいたします。
場合によってはヘッドフォンを身に着け本作に耳を傾けることで「ただひたすらに踊りまくってゲット・スウェッティになる」という可能性を本作はあなたに提示してくれるのではないでしょうか。
おすすめ曲
- After Below
- Rainover
- Phurip
全曲Trickfingerのオリジナル曲です。
Data | Name |
---|---|
Artist | Trickfinger |
Label | Acid Test |
※本作はフィジカルリリースあり、下記からどうぞ。
3.Trickfinger II: 8 September 2017
おつぎは2017年リリースの2ndアルバム「Trickfinger II」。
本作も「Acid Test」からのリリースです。
「Ruche」にはジョン・フルシアンテ自身の演奏によるスリリングなギターパートもあり。
「Hasan」ではポップセンス抜群なメロディセンスを炸裂させており非常に耳に残ります。
さらに「Cuh」のシンセベースにはヴィラロボスなどに通ずるミニマルでありながら人懐こっくファンキーにあおってくるセンスも滲み出ており、めちゃめちゃ格好いい。
おすすめ曲
- Shift Sync
- Ruche
- Hasan
- Cuh
Data | Name |
---|---|
Artist | Trickfinger |
Label | Acid Test |
※本作はフィジカルリリースあり、下記からどうぞ。
4.Look Down, See Us: March 29, 2020
おつぎは2020年リリースの2nd EP「Look Down, See Us」。
※TrickfingerとAura-T(ジョン・フルシアンテのパートナー)が主宰するレコードレーベル「Evar Records」よりリリースされた「Look Down, See Us」。
おすすめ曲
- Look Down, See Us
- GR 8
- Meaning To
Data | Name |
---|---|
Artist | Trickfinger |
Label | Evar Records |
5.She Smiles Because She Presses the Button: June 5, 2020
おつぎは2020年リリースの3rdアルバム「She Smiles Because She Presses the Button」。
本作「She Smiles Because She Presses the Button」は「Trickfinger」と「Trickfinger II」をリリースしていた「Acid Test」のサブレーベル「Avenue 66」からのリリースです。
Avenue 66からリリースされるレコードには「共通のデザイン」が取り入れられています。
※「She Smiles Because She Presses the Button」
※Lowtec「Light Surfing」
※Relaxer「Coconut Grove」
おすすめ曲
- Amb
- Brise
- Plane
- Sea YX6
Data | Name |
---|---|
Artist | Trickfinger |
Label | Avenue 66 |
※本作はフィジカルリリースあり、下記からどうぞ。
6.まとめ
今回紹介した「Sect In Sgt」をのぞくすべての作品が「Amazon Music Unlimited」でお楽しみいただけます。
ぜひ良い音でお楽しみください。
※くわしくは下記からどうぞ。
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今日は以上です。
skでした。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
記事が参考になりましたら幸いです。
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